Story


ロズウェルとクロエ。

2人で旅を始めてから、一ヶ月半、旅は順調に進んでいた。


2人の身は今、ジブリスの南方に位置する商業国家ミュンセルの首都、シヴァにあった。

初めて訪れるその街は、商業都市らしく人と外交品に溢れ繁栄した土地で、
活気に満ちた街の様子に、クロエの心は弾んでいた。


だがその反面、
ロズウェルのことが気にかかってもいた。

彼にとっては慣れない長旅で、慣れない国での生活。
街に滞在する間、ロズウェルが疲れていないだろうか、無理をしていないだろうかと
クロエは何度となく気にして問うたが、その度彼は、こう答えた。


「平気です」

「あなたと共にいられるだけで幸せなんです」




無理をして本音を隠す、彼の姿を見て。
――――――――クロエの心に少しだけ、不安が生まれていた。